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【オフィスミギ】晴れ男なものですから

 小さい頃は

とりわけ絵を描くことが好きだった。楽しいというより、緊張感というか、無心で集中するのがよかったのかもしれない。自慢だが、その方面での成績は最高だったっけね。あれこれ理屈を考えることをしなくても済むからなのか。だから、暗室作業は嫌いじゃない。覚えてしまえば身体が勝手に動く。思えば、どうもキチンと考えることはロクに訓練してこなかったようだ。
 19歳の時にいすゞで期間工として働いていた頃、とにかく正社員の仕事っぷりはやたらにかっこよかった。人に対して、美しい、とか、素晴らしいな、と感じるのは、やはり自分にはないものを持っている人たちのことで、自分には、およそ殆どの人がそう映る。だから、年齢が上とか、下とかは、あまり意識になかったりする。翻って自分には、特別なものなどないな、と思うのが本音でもある。
 確かに、怪我をした当初は左腕一本でやってやるっていう気概が、あの頃を生きるモチベーションだったと恥ずかしながらに思う。若さというか、青いとういうかね。だが、曲がりなりにもカメラマンでいる現在は、正直、それがどうとも思わない。まぁ、自分が望んでやったことだから。もし、それが今でも心の拠りどころだとしたら、ちょっとまずいだろう。そいういものを解消するために、ボクサーたちと並走してきたんだと思う。
  思えば、十数年という歳月をかけた本を出すことが出来れば、わりとみじめな自分が変われるはずだと思っていたようだが、実際は周りが変わるだけで、自分自身は何も変わることがなかった。それだけのために、頑張ってきたはずなのに自分が変ったという実感がなかった。正直、それが相当辛かったように思う。周りが盛り上がっている中で、当の自分はひそかに冷めていたっていうかね。表にあるいものだけが、すべてじゃないというか。目にみえてこないものをどう感じうるかっていうのか。まぁ、うまく言えんけど。

 で、まぁ、そのことだけしかしてこなかったツケっていうのかな。社会性のない自分がいて、そういうものを払わなければならないんだなと、実感する。まぁいい年ぶっこいて、だ。
 写真ていう作品っていうか、そういうのは基本、自分の「欲」ためにやってきたことは事実なんだ。けど、幸いにしてそれだけではなかったと考えることができれば僅でも自分を救えることになる。自分にとって撮るという行為は、誰かのために全力で打ち込める行為でもあった、と思う。おそらく、今でも基本そうだ。それが、痛む身体を動かせる源だった。恥ずかしげもなく言わせてもらえれば、相手を愛するということ。自分にとって最大限の愛情表現なんだと思う。 
 そう考えられた時、まぁ褒められた人間ではないし、足りないことばかりだけど、まぁいいんじゃないか、人として欠落しているものを補える要素も多少あるんじゃないか、と強引にでも思うことにする。もちろん、進歩はしなければならないが。とにかく、振り返ってみても、これまでの多くの方々に感謝しかないのだ。本当に。
 さて、風呂にでもはいるか。

by officemigi | 2016-09-14 23:27 | Comments(0)
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