人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【オフィスミギ】晴れ男なものですから

播磨 真輝



播磨 真輝くん。

プロボクサーでした。

戦績は4戦4勝3KOというレコードで新人王のベスト8まで戦っていました。

その年の大本命の優勝候補。

わずか4戦でも彼のボクシングには華があったという。

ジムの方に播磨くんの話を聞いたことがある。

「あれだけの素質のある奴はそうは巡り会えない」

大きな期待を寄せられるが、播磨くんは4戦目で目を痛めてしまう。


網膜隔離。


ボクサーとしては致命傷だった。

しかし、播磨くんは目が潰れてもいいから、と

新人王めざし、チャンピオンめざして練習してしまう。

傷ついた過去から這い上がり、やっとみつけた夢。

戦うことで、人からの感謝の想いも感じるようになったという。

ボクサーとして生きる。

これがすべて。

だから、

「はいそうですか」

と簡単に諦めるわけにはいかない。


けど、練習で動けば動くほど、

視界はどんどん狭まってしまい、

周りからの説得で、ついに入院、手術することに。


播磨くんはボクサーとして生きることを完全に断たれてしまう。



どん底。


病院のベッドで絶望しきっている時に、

生きる〜の本にであったという。


昨年8月、こんな播磨くんからこんなメッセージを頂きました。





こんにちわ。いきなりのメッセージで失礼します!

僕は播磨 真輝といいます。新日本木村ジム所属のプロボクサーです。
今年の新人王トーナメントにスーパーバンタム級で出ており、
勝ち続けてベスト8まで登りこれからが本当の勝負という時に網膜剥離になってしまい
、引退を余儀なくされました。

つい最近の出来事です…


悔して…悲しくて…応援してくれたみんなに申し訳なくて…
生きているけど死んでいる、そんな状態が入院中から続いていました。


でも俺にチャンスがきました。『生きるために人は夢を見る』
その本との出会いが俺に何かを変わらせ、
このまま腐ってはだめだという気持ちを教えてくれました。


本は衝撃的でした。
俺はもう試合はできないかもしれないけれど、ボクサーであり続けたい、そう思いました。
ボクシングは俺の全てでしたから!!


どうもありがとうございます。
ボクシングに対する未練で絶望してましたが、
今はほんの少しだけ上を向いて歩ける…そんな気がします!



本を読んだあとどうしても林 建次さんに気持ちを伝えたくて、
お礼を言いたくてこうしてメッセージを送りました。

いきなりで無礼かとは思いますが、
もしご返信頂けたら本当に嬉しく思います。



お忙しい所、長々と失礼致しました。





ずっと会いたかったけど、なかなか会えず、

先日、やっと播磨くんと会えました。


礼儀正しく、頭のよい青年でした。

なにより、目が生きている。


短い時間だったけど、熱い話でした。

まだまだ、リングで闘いたいという情熱で、あらゆる可能性に精一杯トライした。

日本では無理だけど、アメリカまで行ってボクシングを続けようとしたこと。

しかし、精密検査で、その目は許容範囲の広いアメリカでも、

ボクシングを続けることは不可能だった。

そして潔く、ボクシングを終えることにした。

いまは居酒屋で働いてるという。


これからは、何をやりたい?


酷だとは思ったけれど、聞いてみた。


ボクシングという、あれだけの情熱を賭けてやってきた者には

そう簡単にはみつけられるものじゃない。

頑張ってほしいという思いもあった。


消防士を目指します


即答だった。


きっと答えをだすのにずっと苦しんでいたはず。

お金というより、すべてを賭けれるもの。

悪い意味で過去には執着せず、前だけを向いていた。


ボクシングは辞めたけど、ボクサーの魂はずっと持ち続けたい。


こいつ、凄いな。

俺なんかよりも、そうとう大人だ。

俺も頑張らなくっちゃ。


ありがとう。


また一人、すばらしい友人が出来ました。

播磨 真輝_b0119854_12402761.jpg


by officemigi | 2010-04-10 12:48 | 林建次の日々 | Comments(3)
Commented at 2010-04-11 23:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by とんぼ丸 at 2010-04-13 00:11 x
この話、書きっぷり、いいものです。
いよいよ出番という感じです。
「日本カメラ」の扱いといい、風は十分吹いています。
慎重に進んでください。
Commented at 2010-04-25 16:33 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
<< BS日テレ キズナのチカラ 日本カメラ >>