【オフィスミギ】晴れ男なものですから

初詣

2日の朝から思いつきで出かけることにした。

初詣。
金讃神社。

埼玉県神川町という群馬よりの田舎町。
本殿は置かず拝殿のみで、背後の御獄山を御神体とする。
山そのものを御神体とするのは
奈良の大神神社、長野の諏訪神社、金讃神社と全国でこの3つだけ。


そもそもこの神社を知ったのは、
死ぬほどくだらないことで。

去年のいつだったか覚えてないが、
カーナビの音声入力で遊んでいて、
どらえもん調で「こ〜らくえんほ〜る〜」と言ったら、
ナビの事務的な女性声が「カナサナジンジャを案内します〜」
と勝手に出てきたからだ。

調べてみると面白そうだ。
御神体の御獄山に登ってみたい。
かなり険しいみたいだけど、途中、いくつもの
小さな仏像なんかが、がたくさんあるらしい。

これからのこともあるんで、試してみたいこともある。
そして麻痺してしまった「撮る」という強い意志や感覚を
全身の細胞に取り戻したい。

普段はひっそりしてるらしいが、さすがに初詣は多くの人で賑わっている。

カメラを担いで、人でごった返す拝殿でさっさとお参りし、
ひとり、御獄山へ。

さすがに登るやつなんて、そうはいない。

森の中に入ると、全身がツンとした、深い静寂さに覆われる。
かなりの傾斜ですぐに息が上がるけど、身体が自然と前に進む。
ゼイゼイいうような自分の息苦しい呼吸だけしか聞こえない。

昔の人はこんなところ普通に行ったり来たりしてたんだろう。

やはり、すごいな。

五感が研ぎすまされていくよう。

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自分にあれこれと聞いてみる。

みえてるものもあるし、
ぼんやりとしていて、まだピントのあってないものもある。

答えがわかっているものもあるし、
答えのないものもある。

欲ではなく、自分の意志に忠実でありたい。

奥まで進むと、さらに傾斜が強く、もうケモノ道になっている。

森の暗がりの中で太陽がやたらに美しい。

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途中、50センチばかりの仏像たちに出会う。

肩で息を切らせながら、向き合わせて頂く。

もうすぐ、取り組まなければならないテーマ。

しゃがみ込んで感じたままに。

けど、撮っても撮っても思うようにいかない。
ファインダーで凝視したのと、驚くほど結果が違う。

2〜3ミリずれる。

これでは引き延ばしたときにまったく違うものになってしまう。

え?

カメラ自体は自分の神経と繋がっていて、
身体の一部なのに、こんなことは初めてだった。

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もう一度、呼吸を整える。

自分の場所や位置を確認する。

光をみる。
目をみる。
凝視する。

緊張なのか、呼吸でフレームが定まらない。

息をとめる。

心臓の鼓動でまた定まらない。

少しもうまくはいかない。
けど、充実感はある。

カタチを残すだけなら簡単だけど、
意味のあるものに変えるにはどうしたらいいんだろう。

まだ、まったくわからん。

でも、まあ、与えられた時に精一杯撮るだけだ。

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ケモノ道をぬけ、
崖のようなところをのぼり、
わずかなスペースしかない山頂へやっと辿り着く。

本当になにもない。

どこからなのか、高くて鋭い風の音が鳴り響く。

木々が激しくゆれている。

なんだかんだと言われてるみたいだ。

まぁいいや。

それでも太陽の光をたくさん浴びて心地いい。

なぜかここでは写真を撮る必要はないと感じた。

気がつけば、登り始めて2時間はすぎていたので降りることにした。


森をぬけて、緊張もほぐれて空を見てると、
高いところで、何かひらひらと舞ってるのがみえた。

鳥かな?

と思ってよくみてると、いくつかの枯れ葉が
同じ感覚でくるくる廻りながら、ゆっくり飛んでいる。

あはは、なんか奇麗だ。

眺めながら歩いていると、
そのうちの一つが自分の足下にすぅっと落ちてきた。

御獄山に
「お疲れっ」
と労われたよう。

ありががたくお守りとして頂くことに。

感謝。

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神社に戻り、甘酒のみながら一息ついて、
これまた思いつきで鳩山に行くことにした。

同じ埼玉で田舎だけど、
自分が小学の3年までと、中学、高校とすごした場所。

生まれは神戸で、十条、茅ヶ崎、和光、など転々としていたが、
やはり帰る場所っつたら1番の思いがある。

ここから車で1時間ちょい。

古い町になってるけど
やはり、なつかしい。

中学も高校も同じ町にあって
行動範囲としてはせまかったな。

死ぬほど頭の悪いことやってたことを思い出す。

勉強は本当に最低の点をとることに夢中になってて
一桁なんてざらだった。

それでもなんだかんだで落第スレスレを通るスリルを楽しんでたっけ。


かつて住んでいた家の前を通る。

今は人のものになってるけど
外観は変わってないな。

桜の木が立派になってる。
デカイくなったなぁ。

これは、兄が小学校入学の時に小さな苗木をもらったもの。
あれがら30数年かぁ。

おふくろがこの桜を手放すのを残念がってたかね。
今年の春には連れていこう。


さて。
すっかり暗くなったし、帰りますか、
と思いきや、また思いつてしまう。


今から奥秩父、三峰神社に行こう。

むかし、バイクで何度か行ったことがある。

無性に行きたくなった。

今は7時前だから8過ぎにはつくだろう。

が、ナビで検索すると90キロもある。

ということは、9時まえか。

考えてみれば、ここから正丸峠を抜けて、秩父湖に入り
街灯のない崖っぷちを1時間以上も走ることになる。

さすがに心細いが、行きたいという衝動には勝てない。

のんびり行きますか。

まあ、まだ2日だし、この時間でも参拝してる人はいるだろう。


が、甘かった。


正丸峠を越えるまで2台の車しかすれ違わない。

大滝村に入ってからは1台の車にも遭遇しない。

たまにしかない街灯の感覚はどんどん少なくなって、
しだいに真っ暗になっていく。

峠道だけにぐるぐる廻る。

森の暗闇に吸い込まれていくようだ。

車のライトをハイにして走る。

断崖絶壁が映る。

凍結、スリップ注意なんてあちこちに出て来る。

おいおい、本当に俺だけかいっ

唯一勇気をくれるオーディオのハードディスクからは、
こんな時にかぎって、
猟銃で自殺したカート•コバーンのがなり立てる狂気の叫び声だ。。


AHA~~~~~~~GO AWAY!!!! GET AWAY !!!!!! GET AWAY。。。。


マジで勘弁してくれ。。。


やめときゃよかった、
と思いつつも今さら後にはひけず。


そういえば、以前にもこんなことがあった。


いつだったろう。
3.4年前ぐらい前か。

年末年始にかけて車で奈良、九州、四国とまわり
ボクサー達の実家に訪れては家族総出で正月写真を撮っていた。

帰りにまた奈良により石上によって大神神社まで来たら、
せっかくだから天河大弁財天まで行こうと決めた。

が、同じ奈良でもこうも違うのか、と思えるほど
山一つ超えると猛吹雪で車が滑って登れない。

いくら4駆のレガシーでも無理。

やむなく下山。

けど否定された感がどうしても納得出来ず、
ふもとまで降りてチェーンをスタンドでゲット。

ノーマルのままでギリギリまで走り、もうダメというところで
数少ない民家に駆け込んでチェーンを装着。

積雪何十センチの世界と猛吹雪。

チェーンをつけても滑る滑る。

殆ど視界もなく、
15キロも出せなかったんじゃないかな。

走ること2時間。

吹雪で暗くて誰もいない。

けど、幕をくぐるとそこは音ひとつない荘厳な世界。

週十段上には神秘的な本殿があり、
その真後ろには真っ赤な毛氈が敷き詰められた能楽堂が
薄明かりで照らされてる。

ひとり、美しさに圧倒された。

心地いい。

そんな想いをして到着した天河は
とてつもなく暖かく、守られてるようだった。

この当時はフィルムを使い切っていて
写真に残すことが出来なかったけど。


まぁ、あの時にくらべたらここは楽勝じゃないか。

こんなときは悪寒の走るカートはやめてハイロウズに。

明るくて、バカバカしくてちょうどいい。


9時前に三峰神社に到着。

着くと不思議と落ち着く。

7時で終わりで、案の定誰もいない。

けど、なんだかんだいっても一番望んでたことなんじゃないか。

しかし、こんな秘境にとは思うが、
だからこそ価値があるんだろう。

多少のライトアップはされている。

嬉しいような、悲しいようなだけど。

一応本殿で参拝したあと、写真を撮った。

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月明かりがやたらに奇麗たっだので
三脚を出して、絞って撮った。

8秒〜10秒。

終了。


左手を一杯に広げて大きく深呼吸した。


この日はひとりで二つの山のてっぺんに行って
太陽と、月の光を全身に浴びた。


最高だ。


もう動き出してる。

ついていかなきゃ。

悔いのないように。

全力で。

感謝。
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by officemigi | 2010-01-03 15:01 | 林建次の日々 | Comments(5)
Commented by TAKU at 2010-01-03 16:44 x
明けましておめでとうございます。
50センチばかりの仏像たちいいですね。
そういえば、僕ら前厄ですよね?
Commented by みます at 2010-01-04 01:46 x
あぁ~
三峰神社行けば良かった!!
Commented by officemigi at 2010-01-04 18:25
TAKUさん

おめでとう!
前厄かぁ。
でも、この3年間そうとうやばかったから
俺の中では終わってるつもり 笑

みますくん

今度住所教えて。
三峰是非行って下さい、
一人でね。 
あの状況でニルバーナはやばすぎた 笑


Commented by 史織 at 2010-01-08 13:08 x
2~3ミリのズレ。このこだわりが林カメラマンのスゴイとこですね。
あたしのズレ幅の許容範囲は広すぎかなぁ。
今年はビシッと決まる文章書きまっせ!
Commented by officemigi at 2010-01-10 11:43
しおりさん

こだわりではないんだけども。。。
痒いところに手が届かないつーことよ。
あと少しなのにねぇ。
ズレ幅の許容範囲?
しおりさんの場合、それがいいんでないの?笑
皆さまにかわいがって頂く秘訣かもな 笑



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