【オフィスミギ】晴れ男なものですから

<   2017年 03月 ( 8 )   > この月の画像一覧


「晴れ男なものですから」

もうながいこと使っていたブログのタイトルを変えることにする。


「生きるために人は夢を見る」っていうのは2009年に出版した本のタイトルで、

出版前からブログはこのタイトルだった。

ありがたいことに当時一緒に仕事をしていた伊藤さんがつけてくれた。

もちろん本の宣伝を意識してのことでもあり、

当時のワタクシはブログのことなどチンプンカンプンで任せきりだった。


いろんな想いを乗せてつくった本で、

無謀に突っ走っていたいわゆる青春時代といっていい頃である。


つくった作品は愛着あるもので当然大切なんだけど、

ブログのタイトルがいまだにこれなのは、

じつはちょっとこそばゆいというかどこか恥ずかしいとずっと思っていた。

ワタクシもいろんな意味で変化している。


で、そうか、変えればいいのかとそんな簡単なことにようやく気がついた次第である。


「晴れ男なものですから」


そう言わせていただくときがある。

実はわりと晴れ男である。

撮影で明日は雨と予報があっても、

翌日は晴れている、ということが多い。

雨が降っていても撮影のときだけ上がるということも。

だから、仕事で天気の心配はあまりしない。


晴れはいい。

雨よりも曇りよりも晴れがいい。

太陽はあったかい。

ふとんが干せる。最高だ。

晴れたら原っぱで寝転がって本読んで昼寝がしたい。

だから明日も晴れて欲しいものだ。



ただそれだけのことであり、別段深い意味は持たせていない。

ということで

「晴れ男なものですから」

でいくことにします。


まぁオッサンぽくてかっこいいんじゃないかね。

実はこれからの10年がすごく楽しみでもあり。


どうぞよろしく。


[PR]

by officemigi | 2017-03-30 14:21 | 林建次の日々 | Comments(0)

エアサイクルハウジング 施主巡礼

エアサイクルハウジング 施主巡礼
本来は紙媒体なのですが、こちらでも掲載させていただきます。


障がいを持って生きる家族が求めた「家」の在り方。

そこに丁寧に寄り添っていくことって素敵だと思います。


こうやって聞いてみて感じてみて初めてわかることがある。

障がいというのも本当に多岐わたっていて目に見えないものもたくさんある。

社会に参加していくためにしなければならないこと。

バリアフリーっていうのはカタチばかりではなく、

目に見えないものに対して社会が理解を深めることだとつくづく思う。


 山中さんたちご家族の笑顔が忘れられないくらい素敵だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

b0119854_22173576.jpg

 山中慎介さんと弥淑さんは聴覚障がいを持って社会と向き合って生きている。

外見からは障がいは分からない。

街ですれ違った人たちは二人に聴力障がいがあることに気付くことはないだろう。

けれど家から一歩外に出れば、多くのことに神経を使わなければならい。


 背後からくる自転車、車のクラクション、突発的な人とのコミュニケーション。

慎介さんと弥淑さんが社会で生きていくことは、困難に立ち向かう連続であるはずだ。

聴こえないというもどかしさ、それに伴う恐怖は、

生きていく上でどれほどの苦しみをもたらすのであろう。


 けれど、二人はそれを微塵も感じさせない笑顔を人に与えてくれる。

言葉ではない豊かな感情を伝えてくれる。

それだけで慎介さんと弥淑さんが、どう生きてきたかを感じることが出来る。


 音のない世界で生きてきた二人が出会い、家族となった。

痛みを分かち合い、共に生きる「家」は、どこよりも安心できる愛につつまれた暖かな空間にしたい。

それを実現するためにエアサイクルハウジングの内藤は夫妻に寄り添い、奔走した。  


 妻の弥淑さんが書籍「やっと出会えた本物の家」で、自然素材を丁寧に扱い、

施主に寄り添うエアサイクルハウジングの家づくりに感銘を受けたのがきっかけだった。


 そして導かれるように出会った物件は、

あるご夫妻が年を重ねた母親のためにつくったバリアフリーの二階建てだった。

山中さんは愛情に満ち溢れている家を買い、リフォームをエアサイクルハウジングに依頼する。

床は自然の暖かさを感じさせる無垢ヒノキ。壁には漆喰。

キッチンはリビングを見渡せるように壁取り払った。

二階も間仕切りを取り払い、どこにいても家族の気配を感じることのできる空間に仕上げた。


 「今あなたはどこにいるの?」
 

  慎介さんと弥淑さんは、私たちには分からない音のない世界を生きている。

これまで住 んでいたマンションは、

中廊下と個室の空間でお互いがどこにいるのかわからないという不安がつきまとっていた。

でも、もう闇の中にいるような恐怖を感じることはない。


「家族が一番です。何も気にすることなく過ごせる家。そうです、私たちはこの家に守られているんですよ」


  三歳になったやんちゃな圭真くんは、

宅急便が来たことやトーストが焼き上がったことを知らせてくれるようになった。


それは慎介さん弥淑さんにとって新たな驚きでもあった。

二人に与えられた大切な宝物の圭真くんは、この家で日を追うごとに優しさを携えて成長していく。


 休日の夕方、弥淑さんは夕食の支度を始める。

キッチンとつながるリビングには、慎介さんと圭真くんが戯れている姿が見える。

愛する家族がそばにいることを感じながら料理を創る。


「あの二人ったら楽しそうに何を話しているのかしら」


 この家が与えてくれたかけがえのない幸せは、どこにでもある家族の風景の中にある。








[PR]

by officemigi | 2017-03-28 00:26 | 林建次の日々 | Comments(0)

「武士道×八重樫東」

昨年関われせていただいた岩手日報140周年記念号

「武士道×八重樫東」が岩手広告賞を受賞とのこと。

 結果がどうなるかわからないというドキュメンタリーとしての要素を

存分に楽しみながら取り組めました。


岩手日報の柏山弦さん、アートデレクション、デザイナーの横尾美杉さんが

素晴らしい紙面にしてくださいました。

多くの人に伝わり結果が出るのはやっり嬉しいですね。


 八重樫さんの恐れることなく打ち込んでいく無骨な闘い方は、武士道そのもの。

「何か」を与えられる数少ないボクサーだと思います。


[PR]

by officemigi | 2017-03-28 00:05 | 林建次の日々 | Comments(0)

小話5

先日、風邪をこじらせてめずらすく病院へ行き、

クスリを処方され薬局で待っている間に目の前で展開された薬剤師のお姉さんとおじいさんのやりとり。


「お待たせしました。お薬は朝晩の食後に一錠ずつです。お酒はなるべく控えてくださいね」

「えぇ、あの、なるべくということは、もしかしたら少しだけならいいということですかねぇ」

「・・・いえ、呑まれないほうがいいということです」

「一杯だけでもダメでしょうか・・・」

「はい、できれば・・」

「そうですか・・もし夜呑みに誘われた場合はどうすればよいのかと思ったものですから・・・」

「・・・どうか呑まないでくださいね」

「ようするに誘われても我慢すればいいんですね・・・」

「・・・そうです。我慢してください」

「呑み屋にいってもお酒は呑まなければいいんですよね・・・」

「おっしゃる通りです」

「わかりました」


謙虚に欲深く愛くるしい話なり。


[PR]

by officemigi | 2017-03-21 20:05 | 小話 | Comments(0)

小話4

湘南台で働いていた19歳の頃、期間工のおっちゃんから聞いた話。

たぶん、おそらく、よくある話。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「僕は父が死んでも悲しむことはなく、涙することもないだろう」


幼いころから兄は弟によく言っていたものだ。

兄弟は専制君主の父からそれぐらい酷い仕打ちを受けてきたのだ。

弟は兄のその考えを聞いて少し悲しくなったが、

それも仕方のないことだと思った。


父は母と別れて地位も威厳も失ってひとりぼっちになった。

病気にもなってすっかり弱っていた。

息子二人に会いたいという父に弟は応えようとしたが、

兄はまったく相手にしなかった。

弟は兄のその態度に悲しくなったが、

それも仕方のないことだと思った。


春を過ぎたある日、父は独りで亡くなった。

急なことに弟はこれまでのことを後悔した。

そして、わずかながらでも父とのあたたかな時があったことを想い出した。

弟は父の葬儀に来ないという兄にすごく悲しくなったが、

それも仕方のないことだと思った。


後日、弟は父の部屋に飾ってあった小さい頃に撮った家族写真を持って兄に会いに行った。

兄は無表情で写真を受け取ると、深いため息をついて背を向けるだけだった。

しかし、弟は兄の部屋に家族写真が飾られるようになったのを知って

それはとてもしあわせなことだと思った。


[PR]

by officemigi | 2017-03-20 01:27 | 小話 | Comments(0)

3/5

 今日は身体の治療の日。

もう10年は自分の身体を診てださっている方。

身体と同時にカメラマンとしての自分、人間のしての自分の変化もよく知っている。

見守っていて下さる。本当にありがたい限りです。


とにかく二月までは慌ただしかったけれどそれはそれでね、

永らく抱えていたことから、ここ数年かなぁ、目に見えないものから、ようやく解放された。

あくまで、自分自身のことなんだけどね。


だから、仕事だけじゃなくて、本当に素晴らしい、素敵だなと想えることに、

素直に感情を動かせることが出来た。


これは凄く大きなことで、

それを感じられた自分がいるとういうことが本当に嬉しい。

もうそれだけで十分贅沢なことだと思っている。


世間の決まったカタチを求めることよりも、

自分なりに感じて、そして出来ることがあればそれで十分なんだ。


自分の気持ちに誠実でいることが、生きて行く上で何より大切で、

そういう中で自然とやるべきことが出来るのなら何よりです。




[PR]

by officemigi | 2017-03-06 02:09 | 林建次の日々 | Comments(0)

小話3


 二月のある正午前の時間である。

撮影で劇場へ向かう途中、小腹が空いたので山手線のある駅のホームの立ち食いそば屋へ寄った。


 お店の中は、年齢層の違う会社員らしき男性三、四人程度で、皆、思い思いの場所で壁に向かってズルズル音をたてながら粛々とそばを食べていた。この時間帯の定員は一人だけで、大目に見ても初老とは言いがたいかなりお年を召した風貌だった。けれど、長年染み付いてきた働きぶりが滲み出ていている。その老人に少し惹かれたりしながら、かき揚げ蕎麦を頼んで皆と同じように壁に向かってズルズルとそばを喰らった。

 食べ終えたお客は、これから向かう仕事のことなどを考えているのであろうか、やけに渋い表情を浮かべつつ水を一杯飲み干して無言のまま店を出て行く。それもそれで情緒ある風景だ。


「行ってらっしゃいませ!」


 その会社員の背中を押すように元気な声が聞こえて来た。また一人、また一人出て行く度に、老人の定員は声をかけている。気持ち良い空気が流れる。


 二人きりになったので、聞いてみた。


「親父さん、気持ちいいですね。でも、これってここの決まりごとなんですか」

「いえいぇ、わたしの気持ちなんですよ」

 洗い物を片付けながらシワだらけの笑顔で答えてくれえる。

「へぇ、やっぱりそうなんですねぇ」

「気がついたら自然とそうなっていましたねぇ。みんな頑張ってくださいねっていう気持ちですよ」

「素敵ですねぇ。親父さんはずっとここの店だったんですか」

「自分でやっていましたがこそは閉めて、今はここで雇われているんです。まぁ、気楽に楽しくやってますよ」


 親父さんとあれこれたわいない会話を楽しんでいたが、お客さんがゆるりとやってくるのでカメラバッグを担いで店を出ることにした。


「いってらしゃいませ!」


 なるほど、背中があたたかい。

 


 



[PR]

by officemigi | 2017-03-03 13:24 | 小話 | Comments(0)

並走を終えて

 「君よ生きて」
 龍平さんたちと並走させて頂きました。舞台のドキュメントは本当に久しぶりでした。僕自身もお芝居は観に行くほうでいろんな舞台を観てきましたが、クオリティも含めて本当に意味のある素晴らしい舞台でした。


 先人たちの想いを伝えるという役割。
 
 自分の祖父は太平洋戦争時には中国にいた。祖父は当時としてはかなり高価なライカのカメラを持っていて、戦時中でも趣味的にスナップを撮っていたらしい。祖父が亡くなってから掘り起こして見つけたアルバム。よくあるドキュメント的な記録写真ではなく、戦友たちの屈託のない笑顔の写真が多かった。今みたいにスマホで撮るような感じで、構えることなくおちゃらけていて本当に楽しそうに写っている。今も昔も若者の本質って変わらないんだなと思う。


 けど、絶対的に違うのは軍服を着て銃を持ってまさに戦火の中にいるということ。祖父はそのアルバムに亡くなっていったと思われる戦友の写真にコメントを記していた。やり場のない悲しみと、深い愛情のようなものが書いてあったように思う。現在のような平和な時代を生きることなく、戦争に青春を費やさなければならなかった彼らはどんな想いで生き、散っていったのだろう。


 それを描いたのが「君と生きて」という舞台だと思う。過去にこんな悲惨な事実があったということのみを伝えるのではなく、それを感じた上で今手にしているものに感謝して自分たちはどう生きるべきなのか。そんなことを自然と物語の中で導いてくれる。


 龍平さんは清々しい気持ちになって劇場を後にしてほしいという。劇場というのは、いろんなものを取り払って本来の自分に立ち返る場所なんだとも。

 この舞台に関わらせて頂いたことに本当に感謝しています。龍平さんをはじめ蒼龍舎の方々、サミイさんと音楽チーム、俳優、アンサンブルの方々、他、多くのスタッフの方々。

 カタチにしたもの以上に、自分は一緒に並走できただろうか、とか、これは毎回自問自答するけれども。 


 けど、本当に素晴らしい体験をさせて頂きました。ありがとうございました!!


[PR]

by officemigi | 2017-03-02 10:20 | 君よ生きて | Comments(0)