【オフィスミギ】晴れ男なものですから

カテゴリ:林建次の日々( 606 )


現場2

現場。潜る。

震災の時、液状化で崩れた地下に潜った彼らは
自分に言い聞かせるように口々にこう言っていたという。

「やるしかねぇんだよ」

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by officemigi | 2017-11-08 20:50 | 林建次の日々 | Comments(0)

現場へ。

先月からとある現場へ張りつく。


311の震災で地下に埋まっている配管がすべて寸断されて、

稼働しなくなった大手食品工場があった。


復旧どころではなく逃げ出す業者が続出する中、

震災翌日から着手し、わずか6日で一部を仮稼働させたという

少数精鋭の職人たちがいた。


彼らは工場の外から穴を掘って

見たこともないような害虫だらけの地下壕内部へ潜り込み、

強烈な異臭がただよう汚水で胸までつかりながら突き進み、

引き裂かれた配管を手探りでひとつづつ探り当てるのだ。


そして、大きな余震で音を立てて揺れる暗闇の中で、

すべての配管を繋ぎとめた。

以後、工場が完全復旧まで従事する。


断ることもできなのではないか。

危険を顧みなかったのか。

せめて状況が落ち着くまで待機してもよかったのではないか。

それとも、望んで請け負ったのか。


そんな問いかけに、笑いながら答える。


「そりゃあ、やりたくないですよ。できるならもう二度とやりたくない。

でも誰もやらないんだから、やるしかないじゃない。困っているんだからさ」


誰もやらないからといってやれるのもでもないだろう。


なぜ、出来たのか。

危険を犯してでもやり遂げる強い動機が他にあったのか。

例えば、

「震災で苦しんでいる人たちのために」

というモチベーションだったのか。


なくはないが、それは結果論だという。

結果、ああよかったね、だという。

つまり大義名分は彼らのモチベーションにはなっていない。


では何がそうさせたのか。

何度も喰い下がって数人の職人たちに聞いてみたが、

言回しは違うにせよ、媚びへつらうことなく答えは皆同じだった。


「俺たちの仕事だから…」


今の現場は当時の状況と比べれば何てことはないのだろう。
ただ彼らの息遣いを感じていく中で

「仕事だから…」と言う意味が少しだけ解ったような気がした。

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by officemigi | 2017-10-30 18:54 | 林建次の日々 | Comments(0)


辿り着いた永遠なる丘の上に咲く花は

枯れゆく運命の中にあり


その孤高なる姿は

太陽のひかりを受けとめた美しき月のよう


明日はなきものと

最期の月光に照らされたとしても


花はだた愁然と咲き誇るだけ


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by officemigi | 2017-10-30 01:58 | 林建次の日々 | Comments(0)

遠藤夕幻 「祈」

昨年のワタクシも誕生日に夕幻に書いていただいた書が、

額装となってようやく生まれました。


3ヶ月前から実はこの作品を受け入れる準備をしていた。

部屋の配置模様替えをして、

以降、毎朝神社の如く床ぶきなど30分かけて部屋を

掃除して磁場固めをしていたというね。


ベッドの上に配置ことに決めた。

ここに込められた「氣」を全身で浴びながら寝る。そして起きる。

まことに贅沢な日々の始まりである。


しかし、でかいな。
146cm×97cmという大きな額に丁寧に板張りした作品が埋め込まれている。

奥行きを持たせるために7センチほどの溝があり作品を浮き上がらせて魅せるようになっている。

手の込んだ贅沢な仕上がり。


額をどれにするか、作品の切り詰めるサイズを何度も吟味しながら二人で決めて行った。

横幅をすこしだけタイトにしてシャープなイメージにしたいというのを受け入れてもらう。

そしてこの作品のために夕幻はあたらに落款印を自作している。


仕事の合間でしたが、お昼からの3時間は夕幻とこれまでのことや、この作品について語り合った。


そもそも誕生日に晴れがましいことを好まない自分であり、

夕幻はそれを十分理解した上での昨年のお祝いだった。

どうにも渋りまくるワタクシを著書「あなたがいたからできたこと」

の完成披露も兼ねるということでほぼ強引に説得させられた。


夕幻はこの日にワタクシの為に書こうと決めていたんだ。

7年ぐらい前かな、夕幻は出会った頃からこう言っていた。

林さんのために書く時がきたら、左腕で書きます、と。
左腕一本でやってきたことへの敬意。

彼にとっては利き腕でない左で書き切ることに、意味を持たせる。

事故で身体がクラッシュする寸前まで祈っていたということから、

「祈」が生涯のテーマが祈りであり、

またそれに準ずる写真をとることを知っていた夕幻は「祈」と書くのだ。


尺八演奏者である佐藤錦水さん、美鵬 成る駒さんの素晴らしい演奏と唄、

ミッチーの愛情込もった料理。

そしてお祝いに駆けつけた多くの人たちの「氣」を

夕幻自身が全身で感じ、そしてその筆に託して一発で書き切った。


すべてにおいて意味を持たせてくれたこの作品は間違いなく一生涯寄り添っていく宝物になった。


この作品が来てまだ二日だが、朝と夜にずっと眺めている。

ただ無心で眺めていると、ふとある重大なことに気づかされた。


ああ、なんてことだろう。

「祈」という言葉の意味以上のものを表現してくれている。

これ以上自分を表現してくれているものはないだろう。

こんな優しいメッセージが込められているとは思わなかった。

あまりに心がゆり動かざれて涙が溢れた。



そして書家として想像もできない領域へ向かっている夕幻を感じた。

これはいずれしっかりと伝えていきたいと思う。


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by officemigi | 2017-10-23 02:38 | 林建次の日々 | Comments(0)

10月18日

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東京都写真美術館へ。

長島友里枝さんの写真展。
不器用でとても人間臭い方のように思った。


素敵だな。
また行こうとお思う。

東京都写真美術館
11月26日(日)まで


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by officemigi | 2017-10-18 21:50 | 林建次の日々 | Comments(0)

9/26

わりと部屋は綺麗にしている方だったが、

原稿をスラスラと書けるような気持ち良い空間にするか、

と本能的に思い立ち模様替えをし、

以降毎朝、掃除機をかけ、床を拭きをし、

本棚、額、カーテンレールなどを拭き掃除して、

花の水をかえて、時には水切りをして、

最後にお線香を上げて、一日を始める、

ということをやっている。

時間にしたら20〜30分ぐらいかな。

身体を崩していても、それだけは這いつくばってでもやったし、

早朝から撮影でも早起きしてやっている。

毎日そこまでしたくていいんじゃないか、

と言われれば確かにそうなのだが、

これは簡単な修行的な感覚であって

掃除しながらあれこれ頭の中を整理したり、反省の時間も含まれる。

まずい考えを立ち直させたり、どう取り組むべきかを検証したり、

そういった狙いの方が大きい。

掃除しながら、自分の精神状態を理解できるところもある。


で、これがやたらと気持ちがいい。

いい一日を過ごしていくには最高の始まりである。


そいいえば明治神宮などしっかりした神社は

朝参拝すると、しっかり掃除から始まっていて、

どこを見ても綺麗で心地いい。

地場というのか、聖域というのはそうやって創っていくものなのだろうな。


そんなんで、派手なことはないですが、来る人たちが、

空氣がいいとか、やたら心地いいと言ってくれるのは単純に嬉しい。


ただ、どんなに続けても、サボったら一瞬で崩れ去っていくもので、

やっぱり地味な継続、習慣というのは大切なんだろうな。



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by officemigi | 2017-09-26 07:47 | 林建次の日々 | Comments(0)

和氣慎吾 9/13

リングに上がったときの姿というか雰囲気は、やはり華のあるボクサーだと強く感じさせる。
本人としては、試合内容に課題や不安はあるかもしれないが、最後にOKするのはさすがだと思う。

昨年の夏にこの大阪の地で無敗の世界チャンピオンに挑んだ。顔面は血だらけで晴れ上がり、片目の視界は殆ど塞がれ、何度もダウンを奪われた。だがその度に立ち上がり、修羅のような形相で立ち向かっていった。

逆転できる、なんとしてもチャンピオンになるのだ、という強烈な想いは、徐々にチャンピオンを追い詰めていく。だが、ダメージを受けすぎて危険だっだ。本能だけで闘う和氣をレフリーが止めた。正しい判断だったと思う。

あの時の無念の想いを観ている僕らに払拭させてくれる昨日のファイトだったと思う。

赤井さん、レイ、他、素晴らしいスタッフとともに和氣慎吾は悲願の世界タイトルを獲りにいく。



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by officemigi | 2017-09-14 11:46 | 林建次の日々 | Comments(0)

9/13

季節の変わり目ということもあってだろうか、

ここ数日、身体を崩しまい、引き篭もっておりました。



ここまで酷いのはなかなか久しぶりであり、

身体を崩した20数年前の当時を少しだけ思い起こさせた。



なるほど、当時を思えば今抱えている痛みなど天国にいるような状態なのだろうが、

ときが経てば今の状態が最高潮に辛く感じるのは、身体がより楽な状態に慣れてくるからなんだろうな。

人間とはまことに贅沢にできているものだ。


それで、ふとバリアフリーってなんだろう、と思った。
ちょっと前に聴覚障がいの方の話を聞いたことがある。
目に見えてこないものを背負って生きることの困難さを初めて知った。


障がいとうものは多岐にわたって様々だが、どんな状態であれ社会に参加していくには、

やはり人並み以上のことをしなくてはならないと思う。

そして、社会がそれを理解することはとても大切なことだが、

同時に障がいを負った人たちが、社会で生きやすくするためにどうすればいいのか、や、

個人でも団体でも、自分が生きる大なり小なりのフィールドから、

自身が抱えている状態を理解してもらうための行動なり、

伝えるなりをするべきなんだな、と感じるようになった。


若い頃は、そんなものは屁でもないのだ、人並み以上にやってやる、

などと鼻息荒く意気込んで無茶ばかりしていたが、

もう限界を超えてまで、頑張らなくていいというか、ね。


まぁ、そんなんで、今日も部屋中を綺麗に掃除してすっきりとした朝を迎えた。

身体のことは、これからあれこれと取り組む前に、

不要なる膿なり毒が出たのだと解釈する。


ということで、和氣慎吾の世界へ向けての挑戦を撮るために、いざ大阪へ。


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by officemigi | 2017-09-13 08:48 | 林建次の日々 | Comments(0)

向日葵 鈴康寛  labo yoyogi


鈴と出会ったのは2000年あたりだったろう。


映画「アンチェイン」で豊田利晃監督を取材した流れで、

俳優として豊田監督のデビュー作である「ポルノスター」に

出演していた鈴を知り、どういう流れだったか忘れたけれど、

豊田監督らと一緒に鈴のライブに行った記憶がある。


個性派揃いのプロダクションに所属していて、当時の社長から、

普通じゃない宣材写真を撮ってくれということで、

随分とまぁむちゃくちゃな撮影をして楽しんでいた記憶もある。


当時から存在感があり過ぎるというか、

眼の奥にある種の「狂気」みたいなものを漂わせていていた。


当然、優しさをたずさえた人間でもあって、その振り幅が魅力だった。


「帰省」という曲を日テレのドラマの主題歌として楽曲提供するなど、

シンガーソングライターとしての実力も評価されていた。


それから永らく会うことはなくなったが、

俳優を掛け持つのは止めたという話を聞いたような気がする。



この「向日葵」は、鈴と10年ぶりぐらいに再会したときに聴いた曲。

小さくてアットホームなカフェバーのようなところで演奏していた。

久しぶりに再会した彼がこれまでをどんな想いで生きてきたのか、

を感じることができる素晴らしい演奏だった。


そして「向日葵」をきいたとき、多分、もう会うことがないであろう誰かの顔が浮かんだ。

なみだが溢れてきた。

おそらく、ひとそれぞれの「何か」にふれてしまうんだろうな。


「向日葵」は、鈴が敬愛する祖父に宛てた曲だという。
詳しい話は聞いていないが、それは知らなくていいように想った。

向日葵

詞 曲 鈴康寛

ギター 宮崎達也
パーカッション 前田卓次
キーボード 坂下 正俊 (Manzo Jp)



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by officemigi | 2017-08-29 21:34 | 林建次の日々 | Comments(2)

先日

河出書房の河出社長にわざわざ下北沢の事務所(こじんまりだけど趣あってねぇ)に来ていただき6時間以上も語り合う。

なかなか6時間もずっと語り合うことはないかもしれないな。

でもあっという間だった。

河出社長の情熱も凄い。


自分がこれまでのことや、創ってきたもの。その意味。

これからやりたいこと、やらなければならないこと、

そして、なぜテーマ「祈」なのかも。

それについても語り尽くには時間が足りないくらいだったな。

さてさて、もっともっと話す機会をつくっていこうと思う。

力借りたい人もたくさんいるしね。

どうぞ、よろしゅう。



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by officemigi | 2017-08-16 20:15 | 林建次の日々 | Comments(0)