【オフィスミギ】晴れ男なものですから | |||||
平日のチケットウレテナイと嘆いていたのは先週のこと。 一度見た人の口コミや二度三度と足を運ぶ人たちで劇団MOPの「エンジェル・アイズ」の客席は埋まっていた。 いよいよ本日東京公演最終日! 毎回細部に手が加えられ、同じ舞台は2度と見ることはできない。 昨日、役者同士の会話を耳にした。 プライドが高く秩序正しい市長の妻とナラズモノになりさがったギャンブラー。 特にセリフがあるわけではないが、市長の妻は、毛嫌いしていたギャンブラーが教会の先生に恋心を寄せていることを知り、その健気な思いを感じ取った時にちょっぴりギャンブラーのことを見直すそうだ。 台本にもセリフにも表れない小さな心の動き。 舞台で見ることが出来ない登場人物の人間関係がドンドン膨らんでいく。 ギャンブラーは 「そんなに早い段階で見直してくれてたんか~。」 市長の妻は 「そう~。ちょっとずつ毛嫌いからあ~いい人かもって近づいていくねんでぇ~。 一気にこの人、いい人ヤァじゃなくて、小さな気持ちが積みかさなって変わっていく。 舞台ではわからないかも知れないけど、あのシーンの後くらいから見る目変わってきてるから」 舞台には25人の役者がひしめき合う。 始めは観客として席についている人たちも次第に町の住人、あるいは西部の決闘を見たいと町へやってきた見物客となる。 お芝居を楽しむとか観ていてるという感覚より、舞台の郡部として嬉しいとか寂しい楽しいとか悲しいとかを感じる。 セリフ以外から感じ取る役者ひとりひとりのパワーは、知らず知らずの内に観客に役柄を与えているのだ。 いつのまにか見物客Aになったり、通行人Bになったり、時にはギャンブラーの元妻などと、舞台上からは分からない役を自らに作ったり。 厚かましい観客は、役が膨らみ過ぎて心の中で主役張りにセリフを吐いているかもしれない。 東京公演最終日、あたしは客席で何の役を演じようか。 小さな子どもを捨て、どこかに消えてしまったエンジェル・アイズの母親として、今もその罪に押し潰さるそうになりながら、決して幸せになれない女って役はどうだろう? いや、もし、その母親が罪を感じていたのたら、その子どもは、大人になった今でもこんなに苦しむはずはない。どこかの町で全てを忘れて、自分勝手な幸せに酔いしれているかもしれない。 いやいや、マキノワールドだから、ママも懺悔の日々を繰り返し、わが子を想い、毎日お祈りしているにちがいない。 ママ~って舞台の上で叫んだり、皆にいたぶられるわが子を見た時に、舞台に駆けあがらないように気をつけなきゃ。 このあと、15日~17日は大阪公演へと続く。 by shiori
by officemigi
| 2007-09-05 08:23
| 劇団MOP
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